最新のお知らせ

2024年5月26日(日)に2024年度の総会と記念講演会および研究発表会を美博講堂で行います。

2016年3月25日金曜日

【報告】第4期入門講座が終了しました

第2期入門ゼミ第6回(2016.3.20) 

風邪などにより出席者は3人となりました。平澤健さんが『火災と村の生活』(竹内利美著)について発表。福田所長からは、火事や火事見舞いに注目した民俗研究は例が少なく、研究分野としてはこれからも可能性があることが示されました。
 続いて、受講生が今後の各自の研究課題について発表。「熊谷家伝記と御霊信仰」「下伊那南部地域の餅投げ」「飯田の家庭における焼肉」など、個性的なテーマが発表されました。
 次回のゼミは6月19日(日)に行い、各自が中間報告を行うことになっています。

 第4期入門講座第6回「祖霊から穀霊へ」(2016.3.20) 

 今回の講座の最終回には、19人が出席しました。

講演要旨
戦後の柳田は『先祖の話』で日本の神の本質は祖霊であることを強調し、肉体は滅んでも霊魂は永久に存続する「霊肉分離」が日本人の霊魂観であると説いた。
しかしその後の『海上の道』では、祖霊でも神でもない「穀霊」の存在を認めようとしており、これは柳田が自分の説を転換させようとしていた可能性を示している。また穀霊論の先行研究としてフレーザーや宇野円空の名を挙げており、仮説の出典を無視しがちだったこれまでの姿勢から変化がみえる。
晩年の柳田から学ぶことは、確立期の強固な柳田国男説を崩し、新たな展望を開く契機になるかもしれない。
講義終了後には、皆勤賞のうち4名の方に修了証と福田所長の自著が贈られました。


来年度の第5期講座については、現在運営委員会で検討を行っています。