最新のお知らせ

2024年5月26日(日)に2024年度の総会と記念講演会および研究発表会を美博講堂で行います。

2015年4月24日金曜日

【報告】入門講座第3期 第5・6回

■第3期入門講座は終了し、一般受講者のうち皆勤賞3名、精勤賞3名に福田所長から著作本が贈呈されました。

 第Ⅳ期の開催については現在、運営委員会で検討しています。詳細が決定次第お知らせいたします。



第6回 講義要旨 4月19日(日)


「後藤総一郎-常民の学問をめざして」

高橋寛治会員
 当研究所の初代所長であり、全国各地で「常民大学」を主宰した故・後藤総一郎(1933~2003)は、遠山が抱えるさまざまな課題に眼差しを向け、住民が自分たちの地域で学ぶ大切さを説いた。
 官の学と一線を画して学問を続ける姿勢は柳田とまったく一致する。こうした学問のあり方は、情報化と中央集権によってこの飯田地域が均質化していく中で、よりいっそう必要になってくるのではないか。

「宮本常一-個人からの民俗学」

福田アジオ所長
 宮本常一(1907~1981)を表すときの常套句「旅する民俗学者」は、柳田による宮本評が発端となっている。
 宮本は渋沢敬三の私的な研究機関であるアチック ミューゼアム(後に日本常民文化研究所と改称)の研究員として活動した。個別地域の歴史性と生活実態の把握に重点を起き、政治や行政を活用した具体的な「経世済民」を実践した。
 歴史的解釈に根拠を示さなかったり、記述に明らかな虚構性が認められるなどの問題性もあるが、人間味にあふれ柳田にはない民俗学を実践した点で高く評価される。



第5回 講義要旨 3月15日(日)


「松山義雄―孤高の山国ロマン」

今井啓会員
 箕輪町出身の松山義雄(1910~2011)は、野生動物の伝承や山の民俗について独自の調査と執筆活動を精力的に行い、多くの著作を残した。
 柳田国男の義理の従甥という立場ながら、柳田から直接教えを受けることなく、他の研究者とも交流を持たず孤高を貫いた。
 晩年は牽強付会な論も目立つが、一貫して彼の研究を支えたのは初期の柳田に通じるロマンチシズムだったと想像される。

「中山太郎の民俗学―文字の世界へ―」

福田アジオ所長
 中山太郎(1876~1947)は柳田よりも早い時期に「民俗学」という言葉を使い、膨大な文献資料を駆使して多くの大著を残しながらも、柳田から無視されたために現在はほとんど知られていない。
 民俗調査を行わないことや史料批判が不十分であることなどの問題点はあるが、「性」の問題や国外への視線など、柳田が切り捨ててきた課題についても取り組んでいる点で大きく評価されるべきである。

2015年4月22日水曜日

【報告】天龍村坂部ブサ祭り探訪会

 4月15日(水)、参加者10人にて天龍村坂部の「ブサ祭り」神事を見学しました。
 静岡県と愛知県からも参加者がありました。一時は雹や雷雨が降り、行事の開催も危ぶまれましたが、晴れ間を狙って無事開催されました。
 熊谷家の行事を受け継いでいる関福盛さん、奥様で柚餅子生産者組合の関京子さんには大変お世話になりました。


雨霧に煙る坂部集落。
関さん手作りの昼食を食べながら、今年製作されたばかりのDVD「坂部の年中行事」を鑑賞し、櫻井弘人会員の解説で事前学習。
具だくさんの巻きずし。
時折雨が降る中おこなわれたブサ祭り。
参加者一同で記念撮影。

見学後は櫻井会員の案内で、熊谷家伝記にも登場する集落内の神社や寺堂などを見学しました。
坂部を後にする間近のころには谷あいに虹も昇り、印象的な探訪会となりました。

2015年4月7日火曜日

民俗探訪会「坂部のブサ祭り」を開催します

 天龍村坂部では、4月の初めの酉の日(酉の日が3日ある場合は中の酉)に「ブサ祭り」(奉射祭り)という行事が行われます。これは坂部の郷主だった熊谷家の氏神・八幡神社の祭礼で、『熊谷家伝記』明徳4年(1393)の条によれば、坂部に土着した初代熊谷貞直が新田義貞公の館で行われていた祭りに倣って始めたとされています。つまり700年以上前から続いてきた行事であり、中世武士階級の習俗を今に伝える貴重なものといえます。
 今回は「夢工房・左閑辺屋」で郷土料理の昼食をいただき、事前学習をしてから見学します。

◆期 日 2015年4月15日(水) 午前10時集合

◆集合場所 飯田市美術博物館第3駐車場

◆日 程 10:00 美博第3駐車場集合、集金
乗り合わせで坂部へ
11:30 左閑辺屋着
 事前学習、昼食
13:00 ブサ祭り見学
16:00頃 美博に戻り解散

◆参加費 実費1,500円程度を予定
(左閑辺屋での昼食代1000円のほか、資料代、保険料、ガソリン代等込み)

◆留意事項 坂部へは参加者の自動車に乗り合わせて移動します。
歩きやすい服装でご参加ください。雨具などは各自ご用意ください。

◆申し込み 2015年4月12日(日)までに下記へ名前、住所、電話番号をお伝えください。
Faxもしくはメールが確実です。
※直前キャンセルは参加費を徴収する場合があります。
※申し込み多数の場合は先着順となる場合があります。


◆問い合わせ、申し込み先
柳田國男記念伊那民俗学研究所 事務局
〒395-0034 飯田市追手町2-655(飯田市美術博物館内、担当=櫻井・中山)
Tel 0265-22-8118
Fax 0265-22-5252
e-mail inaminken@gmail.com  URL http://inaminkenhome.blogspot.jp/