最新のお知らせ

2024年5月26日(日)に2024年度の総会と記念講演会および研究発表会を美博講堂で行います。

2018年4月4日水曜日

【報告】入門ゼミ発表会

 福田アジオ所長の指導による第3期民俗学入門ゼミナールの成果論文発表会が3月11日(日)、柳田館で開かれ、11人が参加しました。2016年11月から受講してきたゼミ生のうち4人がそれぞれの調査研究成果を発表。飯田市内の飲食店を会場に行われている「無尽」の実態調査や、「熊谷家伝記」写本の書誌学的研究など、意欲的な発表が行われました。

 岡庭圭佑さんは「遠山郷上村地区におけるメデタと婚礼の変化」として、遠山地方の婚礼では欠かせなかった祝い唄「メデタ」を取り上げました。
 湯澤直人さんは「飯田下伊那の無尽」と題して、参加者が出し合ったお金をくじや入札で融通し合う「無尽」が、現在も飲食店を会場に盛んに行われている実態を詳しく報告しました。
 今井啓さんは、「足型ストップマークに見る地域意識と安全への祈り」として、地域の交通安全協会などが路上に描く「ストップマーク」の多様な事例を報告しました。
 宮下英治さんは「『熊谷家伝記』諸本の異同と系統」として、東栄町に現存する「岡田氏写本」や柳田が書写させた「諸国叢書本」をつぶさに比較し、両者が熊谷直遐直筆の「佐藤本」系統に属する共通の資料を元にしていると推論しました。

 聴講者には県外からの参加者もあり、発表者に対して熱心な質問も寄せられました。





2018年4月3日火曜日

【報告】西浦田楽探訪会

 伊那民俗学研究所は2018年3月5日(月)、静岡県浜松市水窪町の西浦田楽への探訪会を開催しました。
 会員5人が参加し、同日午後9時から翌朝にかけて、西浦観音堂の庭で行われた「地能」や「はね能」を見学しました。
 新野の雪祭りとよく似た御船渡りやビンザサラ舞、「おでん」の語源となった高足、呪術色の強い「しずめ」など、独特の芸能世界に圧倒される思いでした。


楽堂が設けられた西浦観音堂

フラッシュ撮影の自粛を呼びかける張り紙

少年の「タヨガミ」による「体拝」

高足(もどき)

御船から大松明に火を移す

ビンザサラを鳴らす「田楽舞」

はね能「さおひめ」

別当が行う「しずめ」
西浦田楽は今年からフラッシュ撮影が全面的に禁止となったこともあり、写真愛好家にとっては機材の質や腕前が試される一方、祭り本来の雰囲気がとてもよく伝わった一夜となりました。