最新のお知らせ

2024年3月23日(土)15:00から柳田館で通常例会「おさま甚句はどこからはよた♪三州振草下田の盆踊り」(宮下英治会員)を行います。

2018年9月27日木曜日

9月例会を開催しました

 2018年9月22日に柳田國男館で通常例会を開催しました。6人が参加し、2名が発表を行いました。

 今井啓会員は「風切鎌は諏訪信仰か」と題して発表し、長野県内では風封じの神としての諏訪神の存在感が薄いこと、風切鎌は神社行事よりも家ごとの風除け祈願で行われる例が多いことを指摘しました。
 北陸地方では諏訪系の神社の風鎮祭で立木に鎌を打つ儀礼があるものの、薙鎌を用いたものではなく、薙鎌と風切鎌は用途や性格に隔たりが大きいため、安易に同列に論じることはできないのではないか、と問題を提起しました。

 松上清志会員は「町屋における大火の記憶」と題して発表。報告書『飯田・上飯田の民俗2』に盛り込むことができなかった1933年生まれの古老から聞き取った大火(1946年駅前大火、1967年飯田大火)の様子を報告しました。
 また、中央通りで酒店を経営していた話者の住まいが、大火後にどのように変化したのかを間取りを比較しながら解説。土蔵の隙間に味噌を塗ったり、二階に上がって赤い腰巻を振るといった、類焼除けの知恵および俗信が実際に行われたことも報告しました。

 次回以降の例会スケジュールは以下の通りです。非会員の方のご参加も歓迎しています。

11月例会

日 時:2018年11月24日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:北原いずみ/寺田一雄

12月例会

日 時:2018年12月22日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:宮下英美/岡庭圭祐

2018年9月10日月曜日

例会、集会等のお知らせ(9~12月)

9月例会(通常例会)【終了しました】

例会は、会員が日ごろの関心や調査成果を発表し、これを切り口に参加者が自由に意見交換をするものです。興味のある方はお気軽にご参加ください。非会員も歓迎しています。

日 時:2018年9月22日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:「風切鎌は諏訪信仰か」今井啓
    「大火の記憶とすまい」松上清志

第2回伊那民俗研究集会【終了しました】

「コト八日行事と神送り」をテーマに、2日間にわたって記録映像上映や研究発表、講演、シンポジウムなどを行います。

期 日:2018年10月27日(土)~28日(日)
会 場:飯田市美術博物館講堂
参加費:500円(資料代)

詳しくは「講座・講演会」のページをご覧ください。→こちら

南信州民俗芸能フォーラム in 國學院【終了しました】


和田系の遠山霜月祭りの映像上映や講演、実演などが行われます。当研究所後援。

日 時:2018年11月10日(土)12:00~17:30
会 場:國學院大學常磐松ホール(渋谷区東4-10-28)
参加費:無料

詳しくは「講座・講演会」のページをご覧ください。→こちら

11月例会

日 時:2018年11月24日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:北原いずみ/寺田一雄

12月例会

日 時:2018年12月22日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:片桐みどり/櫻井弘人

2019年

1月特別例会「折口信夫を読み解く」

第2回「鬼の話」を読む

日時:2019年1月12日(土)14:30~18:00
会場:柳田國男館書斎
参加費:500円(資料代として)
講師:小川直之所長
内容:折口信夫の「鬼の話」を読む。奥三河・遠州北部から南信州にかけての地域の祭りに登場する「鬼」を論じたもので、来訪する神である「まれびと」の祭りと、祭りに登場する「もどき」から日本の芸能について論じている。

2月例会

日時:2019年2月23日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:宮下英美/岡庭圭佑


2018年9月3日月曜日

【報告】特別例会〈折口講座〉第1回を開催しました


 小川直之所長による講座「折口信夫を読み解く」の第1回が2018年8月18日に柳田館で開かれ、27人が聴講しました。


 今回使用したテキストは講演筆記のため読みやすい「祭りの話」(1947年)です。折口はこの中で「まつる」という語は古くは供え物をする意味だったとし、供え方には高く盛る「立てまつる」、台に並べる「置きまつる」、そして有象無象の精霊などのために地面に置くという3つがあったと述べています。
 そして神に供物を捧げ服従を誓うのが「まつらふ」であり、諸国の初穂(税)を滞りなく収めさせることが「まつりごと」であったと説明しています。

 小川所長は、「まつる」のさらに古い意味は神が人へ宣命を行うことであると折口が考えていたこと、上納と下賜の関係は現在の盆暮れの贈答にもつながり、霊魂の力を身につける「たまふり」とも関わってくることを解説。
 祭りは神との共食に意義があるため、現在の神社で主流の生饌(生の供物)よりも、家庭で行われている熟饌(調理した供物)の方が古いあり方だろうと指摘しました。


 また、「折口の論文は具体的事例をほとんど示さず、非常に抽象性が高いため読者に高い教養を要求する。かたや柳田は見たもの聞いたものを次々と並べる紀行文の名手。これが両者の大きな違い」とし、折口を読むことが柳田をさらに理解することにつながると強調しました。(文責 今井啓)



2018年9月2日日曜日

信濃毎日新聞発行「週刊いいだ」で当研究所が紹介されました

 信濃毎日新聞社が発行するフリーペーパー「週刊いいだ」2018年8月23日号にて、柳田國男館と伊那民俗学研究所が紹介されました。

 「国登録有形文化財を訪ねて」というテーマで、下伊那教育会館(飯田市仲ノ町、2014年登録)とともに取り上げられました。
 表紙には柳田館の書斎で談笑する当研究所の松上清志事務局長と中山京子会員が登場。2面では柳田館(喜談書屋)の歴史と現在の役割、研究所の概要などが紹介されました。