(2020年12月19日、柳田國男館、7名参加)
松上清志会員「民俗報告書にみる下伊那の養蚕」
安定した現金収入が年間4~6回も得られる養蚕は、戦前のこの地方において重要な産業だった。それほど大きな設備投資も必要なく、桑は急傾斜地でも生育する。温度管理、病気の予防、桑の確保など手間のかかるものではあったが、指導員や生産者らの向上心、「お蚕様」に対する農家女性たちの献身がこの地方を養蚕の一大産地に育て上げた。
寺田一雄会員「上殿岡の民俗―居住地区で民俗の変容を考える―」
私が住んでいる上殿岡(飯田市伊賀良)は中央自動車道や飯田バイパスの開通で住宅地として発展した。民俗的なものとしては、上殿岡の獅子舞や東光庵の観音講、双体道祖神などがある。地区には30を超える隣組があるが、若い世代やアパートの住人は加入せず、加入者が減少している。
長年にわたって郷土史や民俗の研究調査をしてきたが、一緒にやってきた仲間たちも高齢化している。かつてのような調査活動はできなくなっている今、自らの家庭・地域を見直しながら、一住民として人生を全うすることを考えたい。
長年にわたって郷土史や民俗の研究調査をしてきたが、一緒にやってきた仲間たちも高齢化している。かつてのような調査活動はできなくなっている今、自らの家庭・地域を見直しながら、一住民として人生を全うすることを考えたい。