最新のお知らせ

2024年3月23日(土)15:00から柳田館で通常例会「おさま甚句はどこからはよた♪三州振草下田の盆踊り」(宮下英治会員)を行います。

2019年3月24日日曜日

2月と3月の例会を開催しました

2月例会


 2019年2月23日(土)に第4回となる通常例会を開催し、6人が参加しました。

発表1 宮下英美会員「毛賀の伝統花火ブドウ棚」


発表要旨 飯田市毛賀の毛賀諏訪神社には、丸い火薬を房状に吊るして青い炎を楽しむ「ブドウ棚」という伝統花火がある。その始まりは定かでないが、戦争による中断を経て昭和36年に復活。現在は地区の打舞(うちまい)会が技術を受け継ぎ、煙火店の工場を借りて製造している。火薬の調合はもちろん、練り方なども難しい。
 近年は落下したブドウ玉も楽しむような演出も行っている。

発表2 岡庭圭佑会員「南信州の奉納煙火」


発表要旨 伊那谷の煙火を代表する「大三国」は、その設置方法で比較すると、垂直に立てた柱に筒を固定する「飯伊型」、櫓や足場に筒を斜めに取り付ける「上伊那型」、筒を垂直に支える櫓に葉付きの青竹を挟み込む「阿南型」に分類できる。
 阿南型は火の粉を広範囲に飛び散らせる工夫であるという。また、筒の材料は南部では竹が主であるのに対し、上伊那では木筒を用いるところが目立つ。これは北上するほど筒に適した竹が入手しづらいという環境的理由によるものと想像される。 

3月例会


 2019年3月22日(土)に第5回となる通常例会を開催し、8人が参加しました。

発表1 宮下英治会員「民俗学草創期の北設楽と『熊谷家伝記』出版」


発表要旨  天龍村坂部の熊谷家の当主が12代400年余りにわたって書き継いできたという『熊谷家伝記』の版本は、大正12年に愛知県の北設楽郡史編纂会が謄写版20部を発行したもの(北設楽版)が刊行の最初である。続いて昭和8年に市村咸人校訂版(昭和49年復刻)が、昭和56年に山崎一司校訂版が刊行されている。 柳田国男には、北設楽版の発行直後に「副本」が送付されており、これが柳田監修の「野武士の気骨」(『郷土史読本』所収、昭和3年)の元になったとみられる。
 柳田は北設楽民俗研究会の人々に機関紙を発行するよう勧め、柳田の支援や早川孝太郎の尽力により昭和6年の『設楽』創刊が実現した。研究会では同時に設楽近辺の民俗文献を集めた『設楽叢書』の刊行も目指していたが、実現しなかった。
  今後の課題としては、設楽地域全体の民俗研究の動向や、設楽と下伊那の民俗研究者同士の交流についても調べてみたい。

発表2 内山文世会員「川路七区のお天王様」


発表要旨 飯田市川路地区は古くから天竜川の水害とそれにともなう疫病に悩まされ、また河原周辺が開拓されるに従って近隣地区との境界争いも激しかった。川路4区の津島神社は宝暦8(1758)年、庄屋らが江戸表評定所に赴いた際に、領主に勧請を願い出たと伝わる。
 川路七区には「お天王様」と呼ばれる祠がネズミサシの大木の下に祀られ、川路の祇園祭(7月第2土曜日)に合わせて祭事が行われている。七区の会計係がお天王様の会計と広報・通知係を担い、各戸からお神酒銭300円を区費と共に集めるなど、まちづくり委員会の行事の一つとして大切に執り行われている。

3月例会の様子

2019年3月10日日曜日

3月例会のお知らせ

 3月例会を下記のとおり開催します。
 研究所会員が日頃の研究成果などを報告し、参加者が自由に意見交換します。
 会員以外も自由に参加できます。

日 時:2019年3月23日(土)18:00~20:00
会 場:柳田國男館会議室
発 表:宮下英治「民俗学草創期の北設楽と『熊谷家伝記』出版」
         内山文世「川路七区の天王様」