最新のお知らせ

2024年3月23日(土)15:00から柳田館で通常例会「おさま甚句はどこからはよた♪三州振草下田の盆踊り」(宮下英治会員)を行います。

2016年11月22日火曜日

第5期民俗学入門講座と第3期ゼミナールが開講しました


福田アジオ所長による第5期民俗学入門講座「現代日本を民俗学から考える」と第3期入門ゼミナール「伊那の現代生活に民俗を考える」が11月19日(土)から始まりました。



参加者が自由に発言した入門ゼミ

 15:30から柳田館2階学習室で行われたゼミには、第2期からの継続参加者のほかに新たに3人が加わりました。自己紹介ののち、これまでのゼミで取り上げられた伊那谷の民俗を中心に、参加者が日頃の生活の中で不思議に思っていることなどを自由に発言し、各自がどのようなテーマで研究したいかを模索しました。
話題に上ったのは「無尽」「山行き」「花火」「盆踊り」など。次回はそれぞれが考えた研究テーマを発表することになりました。

18:00から1階の柳田記念室で行われた入門講座は、25人が聴講。「3.11以降の社会と民俗学」をテーマに講義が行われました。

福田所長の講義


福田所長は、東日本大震災後に「絆」という抽象的な言葉がメディアなどを通じて盛んに流布されたことについて、「コミュニティとは何か、震災前の地域社会はどのようなものだったのかをきちんと把握しようとする動きがない」と指摘。一方で弱者やマイノリティを排除するのが当たり前という空気が広がりつつあることに危機感を示しました。
また震災の復旧・復興にあたり、民俗学は資料レスキュー以外には積極的な関与ができなかったとし、ハード中心の復興事業にソフトを組み込む分野で民俗学が貢献できるのでは、と提言しました。

続いて研究所の高橋寛治会員が、飯田下伊那の若者たちにも生活や価値観の変化が見られることを報告。社会や環境への貢献に関心が高く、農山村に住みながら農業などの実践を行っている若者たちの声を紹介し、これからの農山村にも可能性があることを強調しました。





高橋寛治会員の発表 

第2回のゼミおよび講座は12月17日(土)に開催します。