9月6日、飯田市美術博物館と本研究所の共催で美博文化講座「天龍川水系・伊那谷の民俗を考える」を開催しました。当初創立30周年記念事業として計画していた内容の一部を、規模を縮小する形で実施。新型コロナ感染防止対策のために、定員を最大30名に限定しましたが、午前、午後ともに20名を超える参加がありました。
午前の部は、9月末で美博の専門研究員を退職する櫻井弘人会員が「天龍川流域の民俗芸能」と題して講演。中世から近世にかけて南信州の芸能が神事芸能から娯楽芸能に変化していったこと、その転換点は経済力を背景にした町人文化が発達した元禄年間だった可能性が高いことなどを指摘しました。
初の試みとして、講演をYouTubeでライブ配信し、編集した動画を翌日再配信しました。
午後の部は小川直之所長が「伊那谷の民俗をどう捉えるか」と題してオンラインで講演を行いました。報告書や紀要など研究所の活動成果に基づく民俗事例を検証しながら、この地域が東西文化の混合・複合地域であることを示しました。
オンライン化のための機材購入費は寄付によってまかないました。ご協力くださった皆様に御礼を申し上げます。
今後も通常例会のライブ配信など、積極的なWeb活用に取り組んでいく計画です(文責今井)。