折口はこの著作のなかで、「たま」の働き(力量・才能)が「たましい」であり、外来語の「神」が流入したことを受けて「たま」の善なる要素が「かみ」、邪悪な要素が「もの」に分化したと論じています。
また、「たま」の働きが「たましい」であり、「かひ(卵・殻)」に「たま(外来魂)」が入り込むことが「なる」、その外来魂がかひから姿を現すのが「ある」だと主張しました。
小川所長は、折口の文化研究は語源論を手掛かりにしながら、文化が形成される原理を求めようとする点に大きなポイントがある、と解説しました。(文責今井啓)