2021年5月16日、 2021年度総会と講演会・研究発表を開催しました。
2021年度総会
昨年度は書面での議案承認となりましたが、今回は飯田市美術博物館講堂で開催し、14名が出席しました。
2021年度事業では、「諏訪信仰」をテーマとした第4回伊那民研集会を8月28日(土)・29日(日)にエス・バード(飯田市座光寺)で開催することや、2022年に予定されている日本山岳修験学会飯田大会に向けて実行委員会を設置することなどが承認されました。
また、前年度の寄付金で購入した物品の貸し出し規約を定めること、研究所に200万円の寄付をしてくださった会員を名誉会員に推挙することなどもあわせて承認されました。
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記念講演会(美博文化講演会)
幻となった昨年の30周年記念大会で研究発表を予定していた小田富英氏が「柳田学と後藤民俗思想史をつなぐ-『信州随筆』と『遠山物語』を中心に-」と題して講演。
コロナ対策のため聴講者は50人限定かつZoomを使用してのオンライン講演となりましたが、キャンセル待ちも出るなど盛況となりました。
講演要旨
飯田で出版された柳田國男の『信州随筆』には、柳田の様々な予想・仮説が盛り込まれている。柳田はこの本で、決まった結論を学ぶ「答えの学問」ではなく、予想・仮説を立ててそれを実証する「問いの学問」への転換を長野県の人々に訴えた。
一方、遠山(飯田市)出身の後藤総一郎(明治大学教授・伊那民研初代所長)は、画期的な自治体史『南信濃村史 遠山』や名著『遠山物語』、そして住民が身銭を切って学ぶ「常民大学」などを通じ、柳田の理念を実践しようとした。
柳田も後藤も、学問は「運動」であると考えていたと言っていい。(文責:今井啓)
会場で配布されたレジュメは以下よりダウンロードできます。
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会員研究発表
講演会の終了後、会場を柳田館に移して開催。15人が参加しました。
湯澤直人会員は「飯田下伊那における無尽」と題し、親睦や異業種交流を目的に行われている現代の「無尽」について、無尽金のやりとりの仕組みなども含めて詳しく報告しました。
松上清志会員は「唯一の地方出版『信州随筆』を読む」と題し、柳田国男研究会で進めている『信州随筆』読み込みの成果を発表しました。