最新のお知らせ

7/11(土)15:00から特別例会を開催します。小川直之所長「草木の民俗学―ツユクサと樒―」。資料代500円、一般の方もご参加いただけます。

2017年3月31日金曜日

入門講座・ゼミ報告(3~5回)

入門講座第3回(2017年1月21日)


 19人が参加。テーマは「現代の商品流通と民俗」。
福田所長は「商業活動や流通をも視野に入れた研究はフォークロリズムと呼ばれてドイツやアメリカで1980年代以降盛んになった。日本でも民具研究の分野ではその重要性が指摘されていた。現在は冠婚葬祭や年中行事などに業者の影響が大きい。それによって地域差の消滅や新しい習慣の発生などが見られる一方、葬送儀礼では、業者が伝統の保存継承に役立っている面もある」と指摘しました。
 会員発表では、松上清志会員が地元のコンビニエンスストア経営者からの聞き取りを報告し、節分の恵方巻きの売り上げが飯田下伊那でも大きく伸びていることを報告しました。


入門講座第4回(2017年2月18日)


 24人が参加。テーマは「学校の怪談・都市伝説」
 福田所長は「1980年代の怪談ブームを背景に、松谷みよ子の『現代民話考』や常光徹の『学校の怪談』、J・H・ブルンヴァンの『消えるヒッチハイカー』などが注目された。都市伝説研究は「民俗学は古くさい」という印象を変えることに貢献したが、印象論やルポルタージュに留まりがちである点が課題である」と指摘しました。
 会員発表では、今井啓会員が飯田市内の小学校に伝わるトイレや二宮金次郎像の怪談について報告しました。

第4回の講義の様子

入門講座第5回(2017年3月18日)


 テーマは「民俗を活用する現代」。
 福田所長は、柳田の『遠野物語』を核に観光戦略を成功させた遠野市の例などを紹介。博物館展示や介護の分野にも民俗学が利用されている事例を挙げる一方、「マイナスの民俗への視野の拡大や、伝承者を尊重する取り組みが必要になる」と指摘しました。
 会員発表では櫻井弘人会員が、観光化されつつある民俗芸能の現状を報告。「観光客に注目されることが地域の誇りにつながるのならばよいが、それはあくまで伝承者が主体的に考えるべきこと」と見解を述べました。



入門ゼミも講座の各回とあわせて行われ、ゼミ生がそれぞれの調査の中間報告を行い、福田所長およびゼミ仲間から感想やアドバイスを受けました。
2月18日のゼミの様子

2016年12月23日金曜日

研究所活動予定(~2017年3月)

2017年3月までの当研究所の活動予定をお知らせします。
所報107号の8ページに掲載した案内を掲載しますのでご利用下さい。
探訪会や講演会などについては、詳細が決まり次第随時お知らせいたします。
拡大画像はアルバム表示時の左クリックで「別タブで画像を開く」「画像だけを表示」等を選択してください

2016年12月22日木曜日

第5期民俗学入門講座第2回を開催しました

福田所長の講義
2016年12月17日(土)、第5期民俗学入門講座「現代日本を民俗学から考える」第2回「家族の変化・先祖の変化」が柳田國男館で開かれました。
戦前の日本の家族観は、家長(戸主)の権限を重視する明治民法の影響が強く、柳田が確立した1970年代以前の民俗学も例外ではなかったこと。
一方で近年は死者の「個性」が持続して「ご先祖様」に統合されないケースが増えたこと。先祖の役割・性格も、温かく見守る存在から怒りやすく祟りやすい存在へと変化しつつあること。
「おひとりさま」の増加など、家族の形はつねに変化し続けていること―などを福田所長は指摘し、夫婦を中核とした家族の形勢と消滅が安定的に行われる条件の創出が求められている、と展望しました。
北原会員
会員発表では、片桐みどり会員が葬儀や墓をめぐる身近な事例を挙げ、跡継ぎの不在が深刻化している現状を指摘しました。
また、北原いずみ会員は、死者が続いた際に槌を身代わりとして葬る「ツチヒキ」の民俗事例を紹介しました。

次回の講座は2017年1月21日(土)18:00より柳田館で開催します。
テーマは「現代の商品流通と民俗」。スーパーやコンビニなどが年中行事などをどのように販促に利用しているか、それが実際の民俗にどのような影響を与えているか、といった内容になるかと思われます。ぜひご参加ください。