2019年度から予定している飯田市上郷飯沼およびその周辺地域の民俗調査に向けて、今井会員が同地域の基礎的な歴史や参考文献などを紹介しました。
発表 今井啓会員「上郷飯沼民俗調査にあたっての予備知識」
発表要旨 飯沼地域は北を土曽川、東を天竜川、南を栗沢川、西を段丘に囲まれており、それぞれ座光寺、喬木村、上郷別府、上郷黒田と接している。5つの古墳が現存するなど歴史が古く、旧上郷5ヶ村(上黒田、下黒田、飯沼、南条、別府)の中心的存在として元録山論にも加わった。
現在は国道153号沿いの典型的な郊外型商業地の印象が強いが、農村景観も多く残っている。
調査テーマとしては、かつて盛んだった染織業、それを支えた水(用水・湧水)の存在、水の源であり刈敷や薪炭および財政面で重要だった野底山との関わりなどが注目される。
西側段丘から飯沼を望む |
水利施設 |
天竜川堤防近くに広がる農地 |
上郷史学会長でもある中島正韶会員も参加し、野底山の口開けは飯沼村の庄屋が決定するなど森林経営を主導していたこと、近代以降も野底山では明治山論、大正山論など大きな葛藤があったことなどを補足解説しました。
飯沼地域の民俗調査は総会での新年度事業計画承認を受けて本格始動します。調査参加者を募集しておりますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
次回の通常例会は6月22日(土)15:00~の予定です。